出だしの「腕時計」は いったいどこへ

腕時計が好きなんだ 前にも言った通り

腕時計が好きなんだ 見たりさわったり

身に着けるとどうしても外したくなる

適当に歩かせてくれ 日が暮れたら帰るよ

 

リュックは確かに便利なんだ 両肩にかけれる

帰りに買い物放り込める 無敵の背中型押し入れなんだけど

たまに放り出したくなる 背中汗ばむし

でもやっぱり背負ってしまって 肩こりかよ なんだかな

 

歩くのが好きなんだ でもいつから泳いでない

歩くのが好きなんだけど たまには踊ろうか

ありとあらゆる森羅万象あっというまに召使いにするとか

そんな万能じゃなくて煩悩と背中合わせで夜明けまでレッツゴーなんだ

 

ロマンはもう待ったなしで

ランデブーはもちろんデッキチェアで誘ってて

ラスカルはすでにアライグマじゃなくてイスカンダル

僕らの到着を待ち受ける剣士なのだ

 

ファミレットはたまたま浮かんだ言葉で

ファミレスのレトルト方式ではなくて

フェレットの家族会議でもなくて

はにかみ屋さんの砂いじりの結末なのだ

 

石 転がって 岩 ごつすぎて 大地 広すぎて 砂の貧弱すねる俺

水 こぼれおちて 川 流されて 海 広すぎて 藻屑となってさすらう定め

道 長すぎて 無理 歩けなくて 未知 広すぎて 道草の草笛でいつまでもたゆたうつもりでも

その 胸の中の 誰か 叫んでて 今 広がって この世のすべて飲みつくす拍手の産声は露知らずなのさ

 

記憶は期待外れで 結末からも切っ先突きつけられても なんとかなるさ 血中濃度の主人公はとっくに冬眠中 ダメじゃん

血色はけったいで 実体は実に残念で 霊体になっても引き取ってもらえそうにない がっかりならいくらでも生きれる やるじゃん

 

ばったり誰とも出会えなくても はったりきかせていい気になって たっぷり残りのこれからは 発憤ハッピーハプニング 疲れても

釣り糸の先には喜怒哀楽 船旅の途中で立ち寄るのは風林火山 サバイバルナイフの代わりに錆びない美白効果 さっきまでのろくでなしのグチは先延ばしにしてた武勇伝への綱渡りに変えよう

 

誇れることがまだないなら おごることなく起き上がりざまにたくましく

誇れることが勿論ないから おとなしめのふりからのおびただしいほどのお色直し

誇れることなんて結局なくたって 情け容赦なしの納得すくめる大判振る舞い

誇れるどころか怒られたって あきらめきれないほったらかしのブルースフルスピードでフリーダム

 

もがきくるしまないで もだえながらラクショーへ