陶器の器をガラスのテーブルにそっと置く
割れないように 我知らず無意識に
割れてしまうような脆弱な強度じゃないはずなのに
割れないように 笑えるほど滑稽なほどそっと置く
陶器の器をガラスのテーブルに置きながら思うんだ
器はプラでいい テーブルはジュラルミンとか
防弾スーツ着こんで鍋つかみつけた手で扱ったら
何かが割れる心配なんて木っ端みじんに砕け散る
陶器の器よ永遠の強度へ今すぐ移行しろ
でも陶器の器には 潔い美しさがあって
ガラスのテーブルよジュラルミンが無理ならジュエルくらいの輝きの高度で驚かしてみろ
でもガラスのテーブルのシンプルな透明さには こらえきれないほどの 信頼おける聡明さも滲んでて
陶器の器をガラスのテーブルに置きながら僕は はかないかもでもはかりしれないほど強く こわれそうな気配さえこだわりの強気でこらしめながら この世を明るくしていくはずの発火点の連なりに憧れるのさ
永遠よりは揺れているあやうさとか あやうさがのりこしてたどり着いたタフネスとか こわれものが越えていくこれからこそが とてつもなく強いとても貴重な奇跡なのかな