ソリチュードの意味をあえて調べない そういういぶし銀に私はなれるのか

警告だらけの人生をくぐりぬけた挙句の果ての味わいある渓谷か

あなたの目じりに天の川の化石

 

スベスベ無邪気でいたかったが ズサズサ襲い掛かったイナズマひっこ抜いた後の勲章か

あまたの亀裂は なんだかキレイで

 

つんつる能天気の虚空に生じた 正念場たちの愉悦の叫びか

あっけらかんを取り戻すための 憑依の記憶にも似て

 

それとも煩悩を重ねすぎて 重みに耐えかね生じた亀裂の切っ先か

顔や体のシワ むしろ違うんじゃないか

 

皺が増えると柔軟性が増すような気もして 

皺があるから渋みがすこぶる加速する超特急 乗りたくはないが

皺が伸びると 優雅の大河に近づいたりして

性急ではない幸せを少しだけ分かったりして

 

シワがあったって萎れたんじゃないすこぶる支離滅裂に

しゃがれた声でブルースなんてでっち上げて歌って 市長に褒められて

市会議員に立候補して当選して シルバーシート街中に増やして

芝刈りに行く爺さんも川で洗濯の婆さんも そこで心行くまで休んで

 

皺の多い方にも しばらくは皺が出来そうにない産まれたてにも酷な猛暑で申し訳ないけど

とか他人事みたいに言ってる俺も 目じりのシワとか確実に日本海溝並みだから

世界規模で起こってるに違いない温暖化って奴を

シバキ倒したい気持ちだけはどうやらほんの少しは若気の怒りなんだけど

 

ほんの少したって涼しくなったら忘れてしまう怒りをいくつ仕舞いこんでるんだろう

 

それはともかく 思慮ぶかいシワはもちろんなぞりたい軌跡 なめらかなラブソディを 奏でそうなレコードの溝の見事なソリチュード