遠足 おやつは時価10億まで

おやつは300円まで思い出はいくらでも作れ おっかないところはイヤだが大らかな心になれる保証太鼓判のところもどうだか 別にいいけど

遠足に行くんだ宴会気分で 園児というより老人に近いけど

 

お決まりな毎日が少々窮屈になったら おっかなびっくりって最近よく言うよなって気づいたって 起床してすぐさまリュックの中さかさまにして カラにしたあげく空元気だけでも詰め込んで

遠足に行くんだ天気予報はどうやら嵐 望むところだお望みの所まで

 

ワクワクなんて通り過ぎた訳ありの苦悩でも すったもんだのあげくに絶句ばかりのアイツも誘って 温泉街にホッカムリかむってホッカホカの湯気ののろしを目指し 到着するはずが強盗と勘違いされ交番で冷や水あびせられても

脱出してさ 挽回するんだ距離と時間 そういうのじゃないんだ それはもう無理でも 

取り戻せなくても道化の老骨はまだ木っ端みじんじゃないから これまでよりも肉厚で神々しい血潮の乱痴気騒ぎ 歯を食いしばり爆笑しながら ため息だって産声に変えて 遠足に行くんだエイエイオーするよ 遠のく足音にトキメキを禁じ得ないよ

 

遠足するんだ俺だってどうにか 縁日に並んだ夜店で乱舞するんだ

遠足に行くのか君もどうやら 湖のほとりでキャンプファイヤーのキャプテンだ

遠足するしかないだろ道に迷っても 偶然の絶景で空前の気絶で倒れて

目覚めたらなんとか家までたどりついて 家族に怒られながら次の予定をこっそり胸の中にかかげて

 

この遠足が失敗でも 次の遠足も失脚でも そういえば昔のも失態だらけでも 遠足に出かけたい気持ちこそが いつだって新鮮な目的地なのさ

遠くを歩いてるはずの自分の足音に 起こされる目覚ましいらずの朝を思い出そう