メモ 俺は字が汚すぎて自分のが読めない

自由に生きたい 何者も俺を縛れない 記録なんて必要ない 記憶だって常に新鮮が心地よい

だから俺は記録なんてしない 過去の出来事 必ず要るもの わざわざメモらない 

どうだまいったか

 

またしても前見た映画を借りてしまった 参った

どうしても忘れ物をくりかえしてしまう 困った

メモしよう 借りて観た映画 ついには感想なんていちいちしたためて知らず知らずのうちに自分で撮りたい映画の構想 あふれだしたりする妄想

手抜かりないようお願いします 持っていくもの苦肉の策だよ 手のひらにペンで書くのもいい 黒板にチョークで書くなんてどうだろう 消せるし

100均にその手の物買いに行って よけいなホビー盛沢山に買ってくるなよ だからメモしようめいいっぱい二の腕に そうすれば失敗を二度としなくていいからそれもさみしいけど

 

ろくなメモリーほとんどないけど メモってる周到さが導く未来は絢爛かも

メモを頼りに準備してたら 目眩交じりの面目ないミステイク テイクアウトされるかも

記憶力なんて衰えるからメモに頼ろう 小さなメモにかぼそい文字 読みやすくするために無意識に努力して あなたはペン習字の道場を開くほど

字が上手くなって門下生も集まり明日はみんなで発表会 何時から始まるんだろう教えておくれ メモしておくよ 遅れないように

 

必要事項だけじゃなくていい ふと思いついたこと 不可思議な昔のメロディ

文字じゃなくてもすでになめらかか 写真や日記 外出先からか

激情にまかせては危険だけど 情熱こめてるならすぐに公開も可

真剣なメモは祝福され 読んでる誰かの暮らしを潤し その誰かの思いつきのメモでめげてたあなたも ようやく明日のためにメモを書き始める

 

テルテル坊主にへのへのもへじ書き込んだり

そのへのへのもへじに眉毛書き込んでキリっとさせたり

画力あるかもってうぬぼれろ 買ったまま放り出してた大人の塗り絵に挑戦してみたり

すごく上手に出来たんでずいぶん会ってない友人の留守電に大河ドラマ風に自慢吹きこんだり

 

階段の上下がたまに分からなくなるんで壁紙に目印つけたり

壁紙の灰色が味気ないんで青色のマッキーで1分で塗りつぶしたり

青色だけじゃ物足りないんで本物の雲を少々勧誘してみたり

そんな世迷言を枕の裏地にメモして寝たら 次の朝には本当になってたとさ

 

ぼんやりしてられないなあ ほんと だから

今後の予定 明日の買い物 あさっての希望 かなえるために今

すべきことメモ おさまりきれないほど! だったらあなたはおそらく幸福な 未来への狩人 見ちがえるだろう そのメモをたよりに まっしぐらに進もう